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日常のちょっとしたこと 仔猫の成長日記 好きなアニメ・マンガの閑話休題

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プロフィール
HN:
神尾 志
性別:
非公開
趣味:
最近は仔猫の成長を見ること
自己紹介:
九州在住。
夏は暖かく、冬は涼しい。
夏は不明だが、冬場は県内で2番目に寒い地域。
氷点下なんて当たり前!

イベントには,今のところコミケのみ参加しています。
サークル名は『ЧТО ЭТО』ですが、イベントには『TRAUM』、もしかしたら思い出したかのように『北の都』で参加したりもしています。
ジャンルはビックリマン(ピーター×アリババ)はほぼオンリーのみ。
それ以外はマクロス(ミハアル)です、たぶん…



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ハーメルンのバイオリン弾き ~シエルクンチク~ 8(完)
ユーベルブラッド 11
ブロッケンブラッド 8
マクロスプラス 1・2(完)
百姓貴族 2
戦う!セバスチャン♯ 2
少年セバスチャンの執事修行 2
ちびさんデイト 2
銀の匙 3
タブロウ・ゲート 10
コーセルテルの竜術士 ~子竜物語~ 4

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ロボジー
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もうじき4000なのに3000記念のお話です
ビックリマン、オアシス一本釣
この話で二人のお話は最後です。

歌詞を聞いたイメージで、二人にあっていると思ったのでこのタイトルにしましたが、意味は全く知りませんでした(最近知った 『旅立ち』ですか… 意外に意味にも合っているかも?)
当時の自分のコメントを読み返して見ると、オアシスのイメージソングと見ていたらしいです(日付がねぇ…13年前だよ

前もって断っておきます!
この話の中の時間軸は原作とは全く違っています。
当時、この辺り、パンゲ編は兎に角情報が少なかった。
雑誌はすでに掲載していなかったと思います。
テレフォンサービスも毎週聞けなかったし、聞いても効果音が五月蠅くて殆どセリフが聞き取れない
シール裏の僅かな情報。
風の噂やイベントで聞いた情報、また聞き。
自分なりに解釈した同人誌等を参考に書いています。
オアシスと一本釣が出会うのはパンゲ編のプロローグぐらいで、その後は一切ないですよね?
その事が分からなかったので、中盤(後半?)で会うような感じになってしまいました。
だから、苦情は一切受け付けませんし、受け付けられませんm(__)m
もう雰囲気で読んでください<(_ _)>

キリ番お話。
すいません。
途中で止まっていたり、上げられていなかったり…
なるべく努力します

DEPARTURES


 静かに時間だけが流れていく。
 いや、時間が止まったと云った方が良いかも知れないほど辺りには何もなかった。
 しかし、一瞬、その時間に流れが生じた様になった。
「ここは…どこだ?」
 いきなり飛ばされた様な場所を見渡した。
 しかし、これといった特徴は何もない。
 ただの空間。
 とりあえず、ここに来るまでを思い出してみる事にしたが、短い間に予想もしない出来事が次々と起こり、正直云って、自分自身もどこから思い出せばいいのか戸惑ってしまう。
「ピーター…」
 一番近い事は、当然のピーターの変貌だろう。
 自分たちの中で一番と云ってよいほど優しい気持ちを持っていた。
 それが、まさか自分に対して闘いを仕掛けてくるとは考えもしなかった。
 もう少しで、ピーターにやられようとしたときに何かが目の前に現れて…
「ここに助けられたんだ…」
 来たときと同じで変化はない、そう思ったが、後に気配を感じで振り向く。
「………!」
 そこにいたのは、魚の形をした物体。
「まさか…」
 かつて、聖魔大戦の時、一緒にいたギョンボーが二匹。
 目の前にそろっている。
 その姿はまったく変わっておらず、彼に逢えたのが嬉しいのか、しきりに甘えているような感じがした。
「どうしてお前達が…そうか、あの時助けてくれたのは恩前たちなんだな…」
 二匹の頭を優しく撫でてやる。
「気持ちは落ち着きましたか? 一本釣…」
 当然、聞き覚えのある声が響いてきた。
「オアシス…」
 すると、彼、一本釣の目の前の一人の天使が現れた。
「無事で何よりでした。すでにピーターやフッドたちの変貌は、いえ、クライシス化しています」
「なぜだ? 全員で来たときは何もなかった。それなのに二人がクライシス化だなんて…」
 一本釣にしてみれば信じられないことである。
「あなたも、先ほどまでにクライシス化されようとしていました」
「俺も?」
 オアシスは静かにうなづいた。
 そして、一本釣に近づいてゆく。
 その瞳は、かつてのオアシスとは思えないくらいに暗く、悲しみに満ちていた。
 そう、以前のオアシスはとても優しく、強い瞳をしていたはずなのに…
「オアシス…」
 自然と彼女を包んでやる。
「本当の事を云うと、私、ここに来たくなかった。たとえあなたに逢えるとしても、ここに来れば再びあなたを闘いに導かねばならないから…」
 若神子とそのアーチ天使として出会ってからの事が思い出させる。
 あの時は、素直に出会えたことを喜べた。
 しかし、今は二人の出会いは新しい闘いへの幕開けになってしまっている。
 逢いたくても逢わないほうがいい。
 いつしかこんな状態の二人になってしまった。
「私は、一本釣と一緒に夢を見ていたかった。次界でずっと二人で…ひとつふとつ思い出をつくりたかった…」
 いまや叶わぬ夢に思いを募らせる。
「…オアシス…俺も…」
 二人の思いは同じだった。
 しかし…
「遥かな昔に異聖神メディアが新天地に向かって放たれた矢が、今、この大地に降ってきました。そして、このパンギャラクシーに伝わる伝説のひとつとなった」
「伝説…」
 静かにオアシスはうなづいた。
「この地の中心には世界を手に入れることができる力が眠っていると云われています。六つの大陸はその力を巡り闘いが始まっているのです」
「止める方法はないのか?」
「………」
 無言の返事が返ってくる。
 すなわち、止めることはできない段階まで来ていると云うことだろう。
 ピーター・フッドのクライシス化がそれを物語っている。
「六つの大陸同士の闘いはやがて二つにわかれて行くでしょう。私ができるのは、あなたの、一本釣の理力を上げてやることだけ。この闘い、勝っても負けても何の意味もない、過去の亡霊の様なもの…」
「オアシス…どうしたら、俺はどうしたらピーターやフッドを助ける事ができるんだ?」
 オアシスは静かに一本釣から離れはじめた。
「オアシス!」
 一本釣は手をとろうとしたが、するりと抜けていく。
「この闘いに勝者はいません。そして、彼もまた闘いに参加している…」
「彼? 彼とは…」
 悲しみの色を強くした表情をしたオアシスはつらそうに一言だけ云う。
「アリババです」
「アリババだって! あいつがここに来たのか?」
 一本釣は驚きと、何とも云えない表情をする。
 最後に逢ったのはアクア層。
 それ以後どうゆうふうになったのかわからないが、まさかこの地に来ているとは予想もしなかった。
「負けないで…今の私にはこれしか云えないけど…」
「…わかった。やるだけの事はやってみる。ヤマト達と一緒に…」
 一本釣がそう云うと、オアシスは優しく微笑んだ。
 その笑みを見て、一本釣は少し悲しい表情をする。
 視線を足元にもってゆき、小さな声を出す。
「俺も…俺もオアシスと二人で思い出をつくりたかった…」
 そう云うと、顔をオアシスに向ける。
「こんな云い方、おかしいのは充分わかっているけど、でも、俺はずっとオアシスのこと忘れたことなかった。いつの日か平和の時間を二人で過ごすのが俺の、神帝でもなく、パンゲアクターでもなく、一人の天使としてのたった一つの希望だった…」
「………」
「ごめん、卑怯だよね、こんなときにこんなこと云うのは…でも、いつも君につらい思いばかりさせているし、俺自身いつもあやふやな態度だったし、君の優しさに甘えて勝手な事やって…」
 今までの思いを一本釣はオアシスに伝えた。
 すると、オアシスは目に涙を浮かべながら笑みを浮かべる。
「ううん、私にはそんなことがすごく楽しかったし、うれしかった…」
 二人ともお互いを思う気持ちは同じであった。
 しかし、時間の流れが二人の思いを引き裂いてしまった。
「今度、逢うときは闘いがないことを祈るよ」
 もう、届かないオアシスに手を伸ばす。
「私も…静かな時に…」
 オアシスはまたも自然に涙があふれてきた。
 次に出会えるのはいつかはっきりとは決まっていない。
 わかっているのは、闘いが二人を引き合わせる。
 だが、二人とも闘いなど望んでいないのに…
 オアシスはすうっーと腕を広げる。
 すると一本釣の後ろに方に小さな穴が現れた。
「そこからもとに戻れます。気をつけて…」
「君も…俺のオアシス…」
 しばらく二人は見つめあいそして、一本釣は後ろ髪引かれる思いで穴に消えていった。
 残ったのは、オアシス一人。
 そして、また静かな、止まったような時間が戻ってきた。
「いつか必ず、平和なときに逢えることを祈っています…それまでがんばって…私の一本釣…」
 そう云うと、オアシスも静けさの中に消えていった…


END

1996, 9/13 PM21:25UP
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