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日常のちょっとしたこと 仔猫の成長日記 好きなアニメ・マンガの閑話休題

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HN:
神尾 志
性別:
非公開
趣味:
最近は仔猫の成長を見ること
自己紹介:
九州在住。
夏は暖かく、冬は涼しい。
夏は不明だが、冬場は県内で2番目に寒い地域。
氷点下なんて当たり前!

イベントには,今のところコミケのみ参加しています。
サークル名は『ЧТО ЭТО』ですが、イベントには『TRAUM』、もしかしたら思い出したかのように『北の都』で参加したりもしています。
ジャンルはビックリマン(ピーター×アリババ)はほぼオンリーのみ。
それ以外はマクロス(ミハアル)です、たぶん…



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ハーメルンのバイオリン弾き ~シエルクンチク~ 8(完)
ユーベルブラッド 11
ブロッケンブラッド 8
マクロスプラス 1・2(完)
百姓貴族 2
戦う!セバスチャン♯ 2
少年セバスチャンの執事修行 2
ちびさんデイト 2
銀の匙 3
タブロウ・ゲート 10
コーセルテルの竜術士 ~子竜物語~ 4

映画

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ロボジー
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FULLMETAL LCHEMIST THE BEST
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2回目、やっとです。
でも、はっきり云って、メモ状態です。

ハートに火をつけて2


1-2


 次の日。
 陽射しが昇り、ちょっと小腹が空いてきて、ちょっとおやつでも欲しいなぁ、と思う頃。
 今回の主役が東方司令部に訪れた。
 弟と一緒に、少し不機嫌そうな表情をして、エドワード・エルリックは司令部の門をくぐっていた。
 この門をくぐるのも、もうじき三年目になるだろうか。
 既に衛兵とは顔見知りである。
 他の司令部や支部のように、いちいち足止めをされることもない。
 軽く挨拶を交わし、巨大な建物の中へと進んでいく。
 目指すのはただ一ヵ所。
 エドワードの想い人で、この東部を仕切っているロイ・マスタングの部屋。
 久しぶりの再会。
 昨日、電話した時は、一言だけ。
 ホークアイに今日司令部に行くとだけしか伝えず、ロイには何もなかった。
 エドワードとしては、電話を掛ける前は何か一言でもと思ったのだが、前回の定期連絡をうっかりさぼってしまったが為に、何となく云いづらかった。
 たった一言、遅くなって、ゴメン、と…
 これぐらい伝えとけば良かったのかも知れないが、いざ電話を掛けるとなると、恥ずかしさで結局何も云う事が出来なかった。
 それに、最初に出たのがロイではなかったのも、原因かも知れない。
 それならば、直接逢って云えば良いと。
 そう思っただけで、エドワードの顔はポッと赤くなっていく。
「兄さん?」
 弟の声にエドワードは気持ちを何とか切り替え、ちょっとそっけなく返事をする。
「ん? 何だ?」
「大丈夫?」
 大きな鎧。
 その姿からは想像も出来ない可愛らしいボーイソプラノが聞こえてくる。
 だが、中身はない。
 あるのは、血で描かれた印。
 血印だけ。
 その血印で弟・アルフォンスの魂をこの世界に繋ぎとめているのだという。
 そんな弟を兄は、ずっとすまないと思っていた。
 弟を、アルフォンスをこのような鎧の姿にしてしまったのは、他の誰でもない。
 兄であるエドワード。
 エドワード自身も左足と右腕を失い、機械鎧(オートメイル)にしている。
 弟の身体と、己の手足を取り戻すため、軍の狗とまで云われている国家錬金術師になった。
 それも若干12歳と云う史上最年少で。
 天才と云われ、大抵の事に対しては大人相手でも引けを取らないエドワードであったが、唯一、どうしても巧く渡り合えない人物がいた。
 いや、渡り合えてはいる。
 同じ国家錬金術師。
 そして、国軍大佐である、ロイ・マスタング。
 得意分野は違うが、よく二人で錬金術の話をするのが、エドワードはとても好きだった。
 それからちょっとした行動、仕草なんかも好きになっていった。
 最初はどうしてだろうと、不思議に思っていた。
 そして、それは相手に悪いと思っていた。
 でも、それは相手の方も同じだった。
 お互いに、お互いの事を想い合っていたのだ。
 やがて相手、ロイから告白をされた時、エドワードは信じられない気持ちでもあったが、同時にとても嬉しかった。
 だが、エドワードはそのまま素直に相手の胸に行く事が出来なかった。
 自分は男だが、相手も男。
 それに相手は上を目指していた。
 自分との事は、上を目指している相手に取っては命取りになりかねない。
 どう考えても自分は相手に、ロイに似合うわけがない。
 大罪を犯した自分なんかと…
 それに自分には弟がいた。
 鎧となってしまった弟が。
 だから何が何でも、アルフォンスの身体だけは取り戻したかった。
 最後に、自分の生命と引き換えにしても…
 だから恋は出来ない。
 してはいけないと、決めていた。
 でも、弟はそんな兄を見て断言した。
 そんな事はない、と。
 わが身を省みない兄。
 恋をすれば相手の事も考えて、少しは自分を大切にするかも知れない。
 アルフォンスはそう思ったのだ。
 結果。
 以前に比べたら少しは、大人しくなったかも、知れない。
 気持ちだけでも・・・
「何だよ! 大丈夫って?」
 エドワードは一度、深呼吸をしてアルフォンスに返事をした。
「何って…このところずっと、定期連絡さぼっていたでしょう? 言い訳は大丈夫かなって」
「・・・アルフォンス」
 弟の予想もしなかった言葉に、エドワードはガックリと肩を落とした。
「アル…お前、いつからそんなに可愛くなくなったんだ?」
「えっ? そうかな?」
 アルフォンスは惚けるような感じで頭を少し傾け、返事をする。
 以前なら、キチンと正直に理由を話すように、煩いくらい云っていたのだ。
 それが、言い訳なんて事を云い出すとは…
「オレ・・・どこで育て方を間違ったんだろう…」
 エドワードがポツリと、漏らす。
 しかし、
「間違ってないでしょう!」
 と、自信を持ってアルフォンスは答えてくる。
「・・・」
 その返事を聞いて、エドワードの肩は更に落ちて行く時。
「―――」
「あら、やっぱりエドワード君とアルフォンス君。いらっしゃい」
 二人の前にある重厚なドアが開く。
 ドアから出て声を掛けてきたのは、リザ・ホークアイ中尉だった。
 二人を確かめると、更にドアは開き、部屋の中へと招き入れた。
 二人は、いやエドワードはちょこんとホークアイに頭を下げ、アルフォンスは失礼しますと云って部屋に入って行った。
 部屋の奥には、広く重厚なデスク。
 その向こうには、
「アレ? 大佐は?」
 二人の目の前には、机上に置かれた大量の種類の山々。
 その高さは少なく見積もっても、三十㎝はあるように見える。
 微妙に動いているようにも見えるが、そう思うのは気のせいかも?
 部屋を見渡したエドワードはホークアイにもう一度聞く。
「中尉、大佐は? もしかしてさぼり?」
 大量の書類を目にして、充分考えられる事である。
「いいえ。ちゃんと真面目に、お仕事をしているわよ」
「へっ どこに?」
 もう一度部屋を見渡すエドワード。
 しかしこの部屋にいるのは自分と弟のアルフォンス。
 そして、現在所在地不明である上司の副官、ホークアイのみ。
 どこにもロイの姿はない。
 エドワードの脳裏にふとある事が浮かぶ。
「もしかして…」
「中尉?」
 アルフォンスもホークアイの方を見て確認をする。
「そうよ」
 滅多に見られない笑みを浮かべているホークアイの返事に、二人は正面を向き直した。
 静かに耳を澄ませば、紙の上を走るペンの音が聞こえてくる。
「大佐?」
 エドワードは机に近づきつつ、書類の山に向かって恐る恐る声を掛けてみた。
 すると…
「鋼のかっ」
 山が揺れ、その奥からロイが現れたのだ。
「大佐ッ」
 その直後、ホークアイの冷たい声が響く。
 ロイはハッとして書類の山を見る。
 山はまだ、ロイが立ち上がった時の余韻で、ゆらゆらと揺れている。
 その中から一番揺れが酷そうな山を、ロイは静かに上から押さえ込んでいく。。
「何、これ?」
「大佐・・・?」
 二人は静かに息を吐き、ロイの状態を改めて見直した。
 書類の山に埋もれたロイ・マスタング。
 ここから導かれる答えは、既に決まっていた。
「書類を溜め込んで、更に中尉の見張り付きで…さぼりの代償?」
 そう云うエドワードにロイは、速攻否定する。
「違う さぼりなどでは…」
 しかし、
「ある程度、当たっているわね」
 ホークアイがあっさりとエドワードに同意した。
「中尉」
 ロイはホークアイに向かって叫ぶ。
「暫く出張するから、片付けられるものがあるのならば、なるべく早く片付けてしまいたかったの」
 ホークアイの説明に、エドワードは即効でロイに確認を取った。
「出張? 大佐が? どこに?」
「セントラルだ」
「えっ! 大佐も?」
 ロイもセントラルに行くと知って驚くエドワードに、ホークアイがある事を尋ねてきた。
「ところで、エドワード君?」
「なに、中尉?」
「アルフォンス君はエドワード君が中央に行っている間、どうするの?」
「えっ! ボク、兄さんと一緒にセントラルに行けないんですか!」
 てっきり今まで通り、エドワードと一緒にセントラルに行くものと思い込んでいたアルフォンス。
「ごめんなさいね。今回はエドワード君だけなの。だから」
「そうですか…」
 どうやら今回のエドワードのセントラル行きの理由を、アルフォンスは知らない様子。
 兄と違い、聞きわけの良い弟は、詳しい理由も聞かず素直にホークアイの言葉に従う。
 と云うよりは、聞かない方が良いとでも考えているのだろうか?
「それでアルフォンス君、どうするの? ここでエドワード君が帰ってくるまで待っている?」
「そうですね…兄さんの右腕、ちょっと調子悪いみたいだから、リゼンブールで待っていようかな、と」
「あら、エドワード君! 腕、大丈夫なの?」
 ある意味、アルフォンスの爆弾発言にエドワードは慌てて苦笑いする。
「うっ…ああ、まあ…大丈夫。無理をしなければ…」
「また、暴れたのかね?」
 ロイは大きく溜息をつく。
「ちげぇーよ!」
 エドワードは思いっきり否定をするが、アルフォンスは更にそれを否定していた。
「でも、似たようなモノでしょう?」
「うっ…」
 言葉に詰まるエドワード。
 エドワードにとっては、本当にたいした事ではないらしかった。
 木から落ちた事ぐらいでは。
 ただ、着地に失敗しただけの事。
 しかしアルフォンスにとっては、ただ木から落ちるだけなのに、周りの木々を薙ぎ倒しながら落ちるのが、たいした事なのかどうかとロイに尋ねたいぐらいだった。
「何にせよ、あまり無茶な事はしないでくれたまえ」
「…わかった」
 ロイは腕の調子悪い理由を尋ねて見たいと思った。
 しかし、見たところたいした怪我もない様子。
 もし本当に悪いのであれば、アルフォンスが黙ってはいないだろう。
 そのアルフォンスがなにも云わないのだ。
 大丈夫だろうと、なにか云いたそうなアルフォンスを横目で見ながらロイはそう思った。
 それより、エドワードから、なぜセントラルに行くのか?
 その理由を聞いていなった。
「そうだ、鋼の?」
「何、大佐?」
「…いや、いい」
「どうしたんだよ?」
「別に…」
 それ以後も、エドワードはしつこく聞き返すが、ロイは『別に』
 とか、
『後で』
 とか、
『セントラルについてからでも』
 とか云って、すべてかわしていた。
 今回の件。
 つまり、見合い話の件をわざわざエドワードに知らせるか否か。
 目の前にいるエドワードの様子を見る限り、今回のセントラルの召集についての詳しい内容はやはり知らない様子。
 ただセントラルに呼ばれたぐらいにしか、思っていないのかも知れない。
 ロイは密かに口元が動き、薄い笑みを浮かべていた。
 もし知っていたら、アルフォンスが黙っていないだろう。
 弟という最大で最強の切り札を持ち出して、セントラル行きを阻止したに違いない。
 だが今はそれはやめた方が無難である。
 予想もつかない事が起こりそうで・・・
「・・・で、何で大佐まで中央に行くんだ?」
 エドワードは胡散臭そうな笑みを浮かべ始めたロイに、呆れていた。
 セントラルで何かありそうだが、ロイはそれに関して惚けている。
「君は・・・話を聞いたのだろう?」
「何の話?」
「じゃあ、何でここに来たのかね?」
「何でって・・・大総統の勅命で、東方司令部に立ち寄ってから中央に来いって」
 エドワードはここ、東方司令部に訪れた理由を云う。
 やはり予想通り、大総統の勅命。
 ロイはわざといつもの調子で呆れたような表情をつくる。
「何かやったのかね?」
「何もしてねぇーよ! たまたま立ち寄った町に個人所有で質のいい図書館があったから、そこでいろいろ調べていたんだ」
 そしてここに来る直前までにいた場所についてエドワードが話し出した途端、ロイの表情が険しくなり始めたのだ。
 理由は分からないが、明かに怒っている。
「ほう。そこはどこだい?」
「何、怒ってんだよ!」
「別に怒ってなど・・・」
「怒っている!」
 エドワードが訪れていた図書館の持ち主がどんな人物なのか?
 ロイはエドワードの話も聞かず、勝手に人物像を想像していた。
 個人で、それなりに質の良い蔵書が揃っているとなると、かなり歳の入った老人か、又は親の遺産を食い潰しているバカ息子か。
 ロイは何故かバカ息子だと決め付けていた。
 そのバカ息子はエドワードに一目惚れしたに違いない。
 それで何とか引き止めるために本の話をもち出して等と、勝手に妄想で話まで作り出していた。
「男として見苦しいです、大佐?」
「・・・中尉」
 その事に気づいたホークアイが、バッサリとロイの妄想を切り捨てた。
 エドワードも少し分かるのか、安心したように息を吐く。
「それでは、そろそろ時間です」
 ホークアイは時間を確認すると、駅に向かうべく、動き出したのだった。
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