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日常のちょっとしたこと 仔猫の成長日記 好きなアニメ・マンガの閑話休題

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神尾 志
性別:
非公開
趣味:
最近は仔猫の成長を見ること
自己紹介:
九州在住。
夏は暖かく、冬は涼しい。
夏は不明だが、冬場は県内で2番目に寒い地域。
氷点下なんて当たり前!

イベントには,今のところコミケのみ参加しています。
サークル名は『ЧТО ЭТО』ですが、イベントには『TRAUM』、もしかしたら思い出したかのように『北の都』で参加したりもしています。
ジャンルはビックリマン(ピーター×アリババ)はほぼオンリーのみ。
それ以外はマクロス(ミハアル)です、たぶん…



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ハーメルンのバイオリン弾き ~シエルクンチク~ 8(完)
ユーベルブラッド 11
ブロッケンブラッド 8
マクロスプラス 1・2(完)
百姓貴族 2
戦う!セバスチャン♯ 2
少年セバスチャンの執事修行 2
ちびさんデイト 2
銀の匙 3
タブロウ・ゲート 10
コーセルテルの竜術士 ~子竜物語~ 4

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ちょっと思いついたお話。
逆のお話はよく見かけます。
だから、逆パターンで行って見ようと書いて見ました。
始まりはこんな感じで。
続きはのんびりとあげていく予定でいます。
今のところは・・・
ちなみに、タイトルは悩んでいる時に聞こえてきたZAR○の曲から・・・
もちろん、ロイ×エドです

ハートに火をつけて


1


迷い込んできた話


「見合い?」
「はい、お見合いです」
 東方司令部の執務室。
 ホークアイの言葉を聞きながら、ロイは机の上に積まれている書類から顔を上げ、深く大きく息を吐いた。
 まあ、今の自分の年齢と地位を考えたら当たり前の話である。
 若くして、地位もある。
 そして、まだ独身。
 更にまだ決まった相手がいないともなれば、軍部内はもとより、地域や財界の有力者からも、これまでに何度となくロイの元に見合い話が舞い込んできていた。
 その度にいろいろと理由をつけては、すべて断ってきていた。
 だが、なかには立場上、相手の顔を潰すわけにもいかず、どうしても断り切れなくて会うだけはと云う事も、数回はあった。
 それでもその話が、それ以上進む事は一件もなかった。
 なぜなら、彼には公にはしていなかったが、相思相愛(?)の想い人がいたのだ。
 それならば、さっさと公表すれば無駄な見合いなどと云う煩わしさから開放されると云うのに、まったく公表していないのだ。
 それは、いろいろと相手は勿論、自分の方にも公表するにはリスクがありすぎて、思い切って公表する事ができないでいたのだ。
「大佐?」
「・・・ああ、すまないが、今回も適当に理由をつけて断ってくれたまえ」
「それはできません」
 ホークアイの即答にロイは再び大きく息を吐くと、やれやれといった感じで椅子に座りなおした。
「ふぅ・・・それは、将軍の筋からかね・・・」
「いいえ」
「・・・?」
 ロイの表情が少し曇る。
 この見合い話、将軍筋からではないのに断る事ができないとホークアイが云う。



 東方司令部の本当の責任者であるグラマン中将。
 そのグラマンは、薄々ながらもロイとロイの想い人の事は知っていた。
 ロイに見合い話が不定期に舞い込んでくると、一応ロイにその事を伝えてはいた。
 でも最終的にはロイの意見を訊きつつも、グラマンの方で勝手に断っているのが殆どだった。
 その時の断る理由としていつもグラマンは、自分の孫娘を大いに利用していた。


 グラマンの孫娘。
 彼の自宅にいる孫は、まだ幼いと云って良いぐらいの息子で、娘はいない。
 だが見合い話を持ってきた相手はその孫娘の事を持ち出されると、仕方ないと云って話を引っ込めてくれる。
 その事からも、相手はその孫娘の事を良く知っているらしかった。
 いつもロイの側にいるから、やはりか、と云って。


 その孫娘の存在は、誰ともなしに知られていた。
 別に隠しているわけではない。
 この関係については、それ程お互い必要ないと思っているらしく、だからと云って本人たちに直に聞いたとか、公言をしているということは誰も聞いていない。
 そもそも、その件について率先して聞こうとする強者は、東方司令部に誰一人として存在などしていないのだ。
 言うなれば、この件は今や東方司令部、いや東部では公然の秘密となっていた。
 そして、噂の孫娘とは誰であろう、史上最強の副官であった。



 それならば、一体どこからこの話は自分の元へきた話なのだろうか?
 まさか大総統からとは云わないだろう。
 もしくは、ニューオンプティン辺りのハクロ将軍が、嫌がらせと称した見合い話を持ってきたわけでもないだろうかと思案していた時、ロイの耳に意外な言葉が入ってきた。
「今回のこのお見合い、マスタング大佐にきたものではありません」
「はぁ?」
 では、では誰に?
 ロイは部屋を見渡し、見合いの話がきそうなメンバー考えた。

 ジャン・ハボック。
 階級、少尉。
 身長も高く、金髪碧眼と見た目も悪くはない。
 だが、女性運が極端に悪い。
 出世もそれほども望めそうもないだろう。

 ハイマンス・ブレダ。
 階級、少尉。
 一見、体力系に見えるが、その見た目に反して士官学校主席の頭脳派。
 だが、容姿に問題ありだな。

 ヴァトー・ファルマン。
 階級、准尉。
 記念日を作りたがる女性には彼の能力は最適だろうが、それだけ。

 ケイン・フュリー。
 階級、曹長。
 ノンキャリアの彼は、出世してもせいぜい尉官止まりだ。

 一通り考えてはみるが、いまいちパッとしない。
 しかし、その考えを一瞬にして吹き飛ばす名前がロイの耳に入ってきたのだ。
「エドワード君です」
「そう・・・エドワードか・・・エドワード」
「そうです。このお見合いの話は、大佐にではなく、セントラルからエドワード君に来た話です」
 まったく、見合いに縁も縁もなく、もっとも遠い場所に位置しているであろう人物の名にロイは思わず立ち上がってしまった。
 なぜ彼に見合い話が持ち上がるのか?
 本人は否定するが、エドワード・エルリックは見た目の通り、まだ15歳の子供である。
 史上最年少の12歳で国家錬金術師の資格を得た、天才。
 二つ名は、鋼と云う。
 だが両親はすでにいない。
 いや、正確には母親がすでに亡くなっている。
 父親は行方不明。
 生死も未だにわかっていない。
 軍部内においても、エドワードがまだ子供だという事もあって、ロイが後見人という立場にいるぐらいで他に有力な軍幹部や財界・貴族が後ろ盾になっているわけでもない。
 まあ、あえて挙げるならば、鋼の錬金術師はこの国の最高権力者であるキング・ブラッドレイ大総統の覚えが良いと云う事ぐらいだろうか。
 これだけでも充分意味がある事かもしれないが、派閥や権力闘争などにまったく興味のないエドワードにとっては、たまに迷惑で厄介な出来事を呼び込んでくるだけのモノでしかなかった。
「鋼のの見合いなど、一体なんの得になると云うのだ?」
 最愛の人物に対しての見合い話など言語道断である。
 そう、ロイ・マスタングの最愛の想い人は、最年少国家錬金術師。
 鋼の錬金術師こと、エドワード・エルリックであった。
 そのエドワードをロイがやっとの思いで手に入れることができたのは、ほんの数か月前。
 実はお互いに両想いだったのだ。
 逢瀬は少ないが、幸せな日々をロイはもちろん、エドワードも過ごしている。
 その幸せな日々をぶち壊そうとするのか!
 その事に関して、苛立ちを隠す事無く云うロイに対して、ロイとエドワードの関係を知っているホークアイは冷静に返事を返してくる。
「先行投資、かと思います」
「先行投資?」
「はい。簡単に云えば、青田買いですね」
「・・・・・・・・・」
 ホークアイの返事にロイは次の言葉が出てこなかった。
 それでも彼女は上司の態度など気にすることなく話を続けていく。
「そうゆうわけで、再度申し上げますが、今回のお見合いの話は、大佐ではなくエドワード君に来た話です。その辺をご理解下さい」
 エドワードの見合い・・・
 ホークアイに云うとおり、エドワードのお見合いは、見方を変えれば確かに先行投資。
 または青田買いかもしれない。
 見た目からしても、年齢からいってもまだ充分に子供といってもよいエドワードであるからこその話。
 それは分っているのだが、ロイは納得いかずホークアイに詰め寄っていく。
「ちょっと待て! なぜ鋼のの見合いが先行投資だの、青田買いだのと云った言葉が出てくるのだ? 鋼のは見ての通り子供だぞ!」
 ロイの思考はパニックに陥っているのか、先程と同じ事を云い始める。
 そんなロイにホークアイは一切の表情の変化なく、先程とほぼ変わらぬ返事を返していた。
「はい、子供です」
「その子供に見合いだなんて・・・」
「子供だから、ではないのですか?」
「なに?」
「大佐より扱いやすい」
 大人のロイよりも、まだ子供のエドワードの方が将来的に見て、自分達が自由に思うように使えるだろうと。
 ホークアイは先程とは少し違う理由を述べる。
 上の連中はそうゆうふうに考えているのだろうと。
「・・・何を云っている。鋼のほど扱いにくい者はいないというのに・・・」
 ロイはエドワードと相思相愛になるまでの、長くて短い道のりを思い出していた。
 エドワードは天才と称されるだけあって、年齢に応じた型通りの事など、全く通じなかった。
 いつも、話の先や裏を読んでくる。
 油断などできる相手ではない。
 そんな彼に対する想いを自覚してから、どれだけロイはその想いを押し込んできたか!
 どれだけエドワードにバレないようにしてきたか!
 それはエドワードも同じだったようだった。
 子供だからと云う一言で、片付くような事ではない。
 甘い目を見ていると、怪我を負うのは自分の方である。
 そう考えたとき、ロイは老木達には、やはり痛い目あうべきだと云う結論に落ち着いてきた。
 それならば、痛い目に遭う様に仕掛ければいいのではないかと。
 ロイはエドワードにこの馬鹿げた見合い話をぶち壊すように、ただ一言。
 伝えれば良いのだと。
 思い立ったら吉日。
 ロイは直ぐこの計画を実行する為には、エドワードの現在位置を調べなくてはならない。
 年中国内を旅しているエドワード。
 そう簡単に見つかるとは思えないが、あのしっかり者の弟が一緒である。
 それに定期連絡の時期でもある。
 あの弟がこの件を忘れるわけがない。
 前回、エドワードは定期連絡を怠っているのだから。
 弟はこの連絡には敏感になっている、はず。
 ロイは静かに微笑むと、先ほどまでの憂鬱な気分を振り払うように、ホークアイに視線を向けた。
 ホークアイの方もロイの考えが分かっているらしく、軽く息を吐くと一言だけ発した。
「既にエドワード君には連絡が入っています」
 ある程度予想した返事を聞き、ロイは更に気分を上昇させた。
「手回しの早い事だ・・・セントラルのご老人たちは」
 それならば後見人と云う特権を使ってエドワードを自分も元に呼び寄せて、見合話はその間に潰してしまおうかと、ロイは考え始めたその時。
「先程エドワード君から電話があり、明日ぐらいにこちらに到着するそうです」
 自分の計画より早く、エドワードからの連絡にロイは驚いた。
「なにっ 君は・・・私には・・・」
 エドワードから連絡があると云うことは、すなわちロイへの連絡。
 何かしら、いや絶対自分への伝言がある。
 だが、またしてもロイの予想と云うか想いは、ホークアイの一言で見事に打ちのめされたのであった。
「エドワード君から大佐への伝言はありませんでした」
「なっ、なにィ」
 ホークアイの表情に変化はない。
 ロイの表情には大いなる変化が見受けられた。
「なぜだね!」
「エドワード君の指示です」
「・・・」
 暗にロイへの伝言が、本当に何もない事を示す。
 ロイの副官であるリザ・ホークアイは中尉であった。
 階級的に中尉であるホークアイより、少佐待遇である国家錬金術師のエドワードが上官にあたる。
 したがって、エドワードがロイに連絡を付けるか付かないかを、ホークアイは助言は出来るが命令は出来ない。
 たとえ自分の直属の上司であるロイへの伝言と云えども。
「それで、何か、一言ぐらい伝言が・・・」
「ありません」
「・・・」
 それでも何か一言ぐらいあったかも知れないと、しつこく食い下がるロイであったが、すべてホークアイの言葉によって容赦なく切り捨てられていた。
「項垂れているのは大佐の勝手ですが、今日の分の仕事は今日中に、遅くても明日の午前中までにキッチリ仕上げておいて下さい」
「なぜだね?」
「先程申し上げた通り、明日、エドワード君がここ、東方司令部を訪れます」
「それは聞いたが?」
 ふと、ロイは思った。
 なぜエドワードはここ、東方司令部に来るのだろうか?
 今回の見合い話の連絡は十中八九、セントラルからで間違いないだろう。
 それも国家錬金術師を統括している大総統府からの話だろう。
 つまり、大総統キング・ブラッドレイからの。
 それならば、直にセントラルに向かうべきではないだろうかと?
 その答えも、やはりホークアイが持っていた。
「明日の午後からセントラルに向かう予定でいます」
「それは聞いてないぞ!」
「今、云いました」
 そして、ホークアイの口振りでは、エドワードだけの事ではないような云い方。
 何やら今回の物事は、ロイの知らぬうちにどんどん先に進んでいる様子。
 そして。
「エドワード君一人で中央に行かせるわけにはいきませんから」
「それは、私が同行する、と云う事かね?」
 これはこれでロイにとって、都合がいい。
 溜まりに溜まった有給を使い、それでもダメならセントラルに出張する理由を付けて、エドワードの見合い会場に行こうと密かに計画を練り始めていたのだ。
 目的は当然、エドワードの見合いをぶち壊す為に。
 だがしかし、そんなロイの元へ再びホークアイの爆弾が落ちてきた。
「当然です。大佐はエドワード君の親代わりでもありますから」
「・・・」
 ホークアイは自分とエドワードの関係を知っている。
 エドワードとお互いギクシャクしてしまった時には、一番に仲を取り持ってくれたのは、ホークアイだった。
 それなのに、何故かエドワードと正式に付き合うようになってから、ロイに対するホークアイの態度が微妙に変わってきたような気がロイにはしていた。
 それは、エドワード関係になるとホークアイのロイへの扱いが極端に悪くなってきたのだ。
 最初は気のせいだろうとロイは思っていた。
 自らの職務に関しては、日頃の勤務態度のせいでお世辞にも真面目にこなしているとは云い切れてはいなかった。
 そのせいなんだろうか、と。
 しかしそれは気のせいなどではなく、ホークアイの行動は明かに確信犯であった。
 ロイとしてはその理由を尋ねてみたいと、邪険に扱われた時にいつも思うのだが、その後の事を考えると、とても、とても云い出せるような勇気は、東方司令部司令官でありながらロイにはなかった。

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