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日常のちょっとしたこと 仔猫の成長日記 好きなアニメ・マンガの閑話休題

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プロフィール
HN:
神尾 志
性別:
非公開
趣味:
最近は仔猫の成長を見ること
自己紹介:
九州在住。
夏は暖かく、冬は涼しい。
夏は不明だが、冬場は県内で2番目に寒い地域。
氷点下なんて当たり前!

イベントには,今のところコミケのみ参加しています。
サークル名は『ЧТО ЭТО』ですが、イベントには『TRAUM』、もしかしたら思い出したかのように『北の都』で参加したりもしています。
ジャンルはビックリマン(ピーター×アリババ)はほぼオンリーのみ。
それ以外はマクロス(ミハアル)です、たぶん…



コミックス

ハーメルンのバイオリン弾き ~シエルクンチク~ 8(完)
ユーベルブラッド 11
ブロッケンブラッド 8
マクロスプラス 1・2(完)
百姓貴族 2
戦う!セバスチャン♯ 2
少年セバスチャンの執事修行 2
ちびさんデイト 2
銀の匙 3
タブロウ・ゲート 10
コーセルテルの竜術士 ~子竜物語~ 4

映画

海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン
ロボジー
逆転裁判
バトルシップ

CD
FULLMETAL LCHEMIST THE BEST
HEAT

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ビックリマン、エキサイティングテレフォンから。

 

 

 ――ここは一体どこなんだろう…?
 ――俺は何をしているんだろう…?
 彼の脳裏にはさっきからこの事ばかり繰り返し繰り返し浮かんできた。
 まだ、考えがまとまらない。
 しかし、時が経つにつれてはっきりとしてきた。
 自分はまだ、いや、また生きているという事を…
 彼は今まで寝ていた場所から起き上がり辺りを見渡した。
「俺、ひとりなのか…?」
 その場所を移動しようとしたが、身体に激痛が走り座り込んでしまった。
 崩れおちそうな身体をなんとか支えもう一度辺りを見渡した。
 やはり、誰もいない…
「ピーター、男ジャック、牛若、フッド、一本釣、ヤマトッー―!」
 友の名を呼んでみた。
「俺だー! アリババだー!」
 しかし、返ってくるのは風の音…
 彼は、アリババはもう一度叫んだ。
「隠れているのか? それとも怪我をして動けないのか?」
 しばらく待ってみた。
 だが、何も返ってこないとわかると、立ち上がり空を見上げた。
 虹層球(レインボール)がアーチ状に変わっている。
 地上はまだ戦いが続いているのだろう、あちらこちらに火の手が上がって見える。
「また、俺ひとり…」
 遠くを眺めつつ過去の出来事を次々と思い出す。
 ――いつもみんなと一緒にいた。
 ――どんな時も、どんな所でも。
 ――しかし、あの時から、そう、無縁ゾーンで魔穴(デビルホール)に飲み込まれた時から変わってしまった。
 ――天魔界の手に落ち、悪魔ヘッド・ゴーストアリババにされた。
 ――そして、こともあろうか、俺が守らねばならないヘッドロココ様にたいして剣(つるぎ)を向けてしまった。
 ――あの、星弾流が降ってこなかったら今頃は…
 アリババは思わず両手で顔を覆った。
 自らの意思ではなくとも、絶対に守らねばならぬ方に対して…
 それゆえに、今度こそはと思い、魔洗礼の直らぬ身体を無理してまでここ、『次界』に来たのだ。
 やっと、みんなと一緒に行けると思ったのに…
 またも俺だけ置き去りか…?
 仲間が消えていった虹を眺めていると自然に哀しみがわきおこってきた。
「おい! アリババ!!」
 後ろから聞き覚えのある声がした。
 振り返るとそこにはぼろぼろの服を着たヤマトが立っていた。
「おまえ、無事だったんだな?」
 いつものようにくったくのない笑顔が聞いてきた。
「ああ、なんとか生きていた。でも、他のみんなは――」
 アリババは尋ねてみた。
 ヤマトは無言で首を横に振った。
「そうか…」
「でも、すでにアンドロココ様が巨方舟(ジャイアントアーク)でこの久遠エリアに来られている。もしかしたら…」
 ヤマトは元気のないアリババを励まし、一緒に巨方舟(ジャイアントアーク)に行くように誘った。
 だが、アリババは伏し目がちに短く答えた。
「しばらく、ここで休んで行く…」
「そうか。じゃあ、僕が先にいって知らせてくるよ!」
 ヤマトは虹の方に翔んでいった。
 翔び去るのを見送りつつ考えた。
 なぜ、自分だけいつもこのように、辛く苦しい思いをしなくてはならぬのか悔しかった。
 みんなと一緒にいたいだけなのに…
 虹とは反対方向を眺めた。
「俺はもう、ひとりにはなりたくないのに…どうしてみんなは待っていてくれないんだ?」
 そう空に向かって呟いたとき、キラリと光るものがみえた。
「みんな…」
 アリババにはそれが、虹に消えたはずの仲間達にみえた。
 光の方向に思いは募り、翼の具合をみた。
「大丈夫だ。翔べる!」
 彼は、大きく翼をはばたかせると光のある方向に翔んでいった。
 誰もまだいっていないエリアに向かって…

「アリババー!」
 しばらくするとヤマトが戻ってきた。
 一人ではなく五つの影と共に。
「アリババ、どこにいるんだ?」
 辺りをみわたすが誰もいない。
「本当にこの辺りなんですの?」
 影の一人が聞いた。
「間違いないよ。メイドン幻使」
 メイドン、五つの影はかつての神帝によく似た小さな女の子達であった。
 彼女らも手伝って辺りを捜したがアリババの姿はミツからなかった。
「どこにいったんだー! 隠れてないで早く出てこいよー!」
 ヤマトがいくら叫んでも、どこを捜してもいない。
「アリババー!!」
 返ってくるのは風の音。
「なぜ、おまえが消えなくちゃいけないんだ? これからという時に…どうして…」
 ヤマトはその場に崩れ落ち地面を拳で叩いた。
「アリババー!!」

その後もアリババの行方はわからぬままであった。

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