日常のちょっとしたこと 仔猫の成長日記 好きなアニメ・マンガの閑話休題 |
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プロフィール
HN:
神尾 志
性別:
非公開
趣味:
最近は仔猫の成長を見ること
自己紹介:
九州在住。
夏は暖かく、冬は涼しい。 夏は不明だが、冬場は県内で2番目に寒い地域。 氷点下なんて当たり前! イベントには,今のところコミケのみ参加しています。 サークル名は『ЧТО ЭТО』ですが、イベントには『TRAUM』、もしかしたら思い出したかのように『北の都』で参加したりもしています。 ジャンルはビックリマン(ピーター×アリババ)はほぼオンリーのみ。 それ以外はマクロス(ミハアル)です、たぶん… コミックス ハーメルンのバイオリン弾き ~シエルクンチク~ 8(完) ユーベルブラッド 11 ブロッケンブラッド 8 マクロスプラス 1・2(完) 百姓貴族 2 戦う!セバスチャン♯ 2 少年セバスチャンの執事修行 2 ちびさんデイト 2 銀の匙 3 タブロウ・ゲート 10 コーセルテルの竜術士 ~子竜物語~ 4 映画 海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン ロボジー 逆転裁判 バトルシップ CD FULLMETAL LCHEMIST THE BEST HEAT イラスト集 ヘタリア マクロスF
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× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 勇者指令ダグオンから
「海のバッカヤローッ!!」 炎の叫び声はダグベース中に響き渡った。 そして勢いよく部屋を飛び出していく。 「よお、何っ…」 ドアが開き、森が入ってきた事が分かっているのかいないのか、炎は森には目もくれず体当たりをして出ていく。 「おっ、おい、炎!」 自分を呼ぶ森の声など全く聞こえていない。 森の視線が、炎の消えた廊下からドアが開けっ放しになっている司令室の中を見ると、深いため息ばかりついている海と、お手上げ状態だと云う表情の翼がいた。 「一体どうしたんだよ?」 炎に体当たりされた森は不機嫌そうな顔で二人に近づいて行く。 海はため息ばかりで聞き出せそうもないと思って翼に聞いてみるが、首を横に振るばかり。 「………?」 森は全く事情が飲み込めない。 「一体何があったんだよ? こんな状態の時にお客さんにでも来られたらまずいよー!」 炎を追跡中のモニターを見ながら森は云うが、全然話が先に進まない。 森の方もため息が出るような状態に陥った時、やっと海が口を開いた。 「誰のせいでこうなったと思っているんだ!」 「えっ?」 海の声は少々どころではなく、かなり怒気が入っていた。 その事に気づいた翼は、これ以上はいくら自分でもつき合い切れないと部屋を静かに出て行く。 「どうしたんだよ海。炎とケンカでもしたのか? だから云っただろう。あの手のタイプは…」 「だから森! すべて貴様の責任だと云っているだろう!!」 海のトレードマークである竹刀を森の目と鼻の先に突きつける。 「―――!?」 いきなり竹刀を突きつけられた森は一瞬驚くが、右手で軽く横に下がらせると、今度は森の方が少し怒気を含んだ声で海に詰め寄った。 「今来たばかりの俺に責任があるなんてどうゆう事だよ。自分の不手際を棚に上げて人のせいにするつもりか?」 腕に覚えがある二人である。 その気になったらお互いただではすまない。 「森! お前が私によけいな事を頼むから炎がすねてしまったのではないか!!」 「よけいな事?」 海にそう云われても森の方は全く心当たりがないのかキョトンとした表情をしている。 それを見た海はがっくりと肩を落とし、深く大きなため息をつく。 「やはり、私の努力は全て無駄だったようだ…」 近くにあった椅子に座り込むと、竹刀に寄りかかるように顔を伏せてしまった。 「おっ、おい、海…」 海の態度にさすがの森も悪いと思ったのか、とりあえずもう一度心当たりを考えてみた。 しかし、何ひとつとして思いつかない。 それが分かったのか、海は顔を伏せたまま一言。 「お前たちはうまくいって良かったが…その代償が今の私達だ!」 「―――!!」 今の海の一言でやっと分かったのか、森の表情が変わる。 「まさか…」 森がそう云うとやっと海が顔を上げて小さくうなずいた。 そして、森は後ろを振り返った。 そこには二人のケンカ寸前を気にもせず見ている、森と一緒に来ていた竜が立っていた。 もともと森は、女の子と仲良くなって青春を謳歌しようという計画の元、この山海高校に入学してきた。 しかし、どこで計画が狂ったのか、二年になった早々宇宙人と仲良く(?)なってしまい、決して仲が良いとは云えない四人とダグオンなるものまで押しつけられてしまった。 最初の頃は我が身の不幸を呪ったが気がつくと、そこら辺にいる女の子よりもかわいい子が目に前にいた。 しかし、いくらかわいいと云っても相手はれっきとした男子高校生である。 最初、森は物凄く迷った、が、その迷いもカオス星人の事件を期にすっかり消えてしまった。 深い理由など全くない。 竜がカオス星人と激突した後、倒れた竜を受けとめたのが自分ではなかった事が悔しかったのだ。 その後、何とかして竜と親しくなろうと計画を立てたがすべて空回り。 キラード星人の事件で自分の株を上げたつもりだったが効果はなく、他にダグオンの仲間以外にこれといった接点がなく月日だけが過ぎていく。 こうなったら最後の手段として竜によく偵察を頼んでいる海に仲介役を頼んだのである。 その結果、長年の夢(?)がやっと実現した。 竜とはお友達からと云う事ではあるが仲良しになれたのである。 しかし、そんな事情を全く知らない奴がいた。 それが炎である。 ちなみに、翼はよく、竜との事がうまく行かないと愚痴を云う森の話を聞かされていた。 最初の頃こそ犬猿の仲だった炎と海だが、そこは慣れと云う事も手伝っていつの間にか仲良しになっていたのである。 炎はとても子供っぽくて独占欲が強かったが、ダグオンとしてのリーダーはなかなか優秀であった。 だから、参謀格の海が竜に偵察などを頼んでもダグオンの任務として受けとめていた。 だがしかし、最近海が自分との約束を断って来る。 理由を尋ねても曖昧で、炎は適当に誤魔化されていた。 最初のうちは炎も海は風紀委員長だからいろいろと忙しいんだろうと思っていた。 しかし、偶然とは云え自分との約束を断っておきながらダグオンの事とは全く関係ない事で竜と一緒にいる現場を目撃してしまった。 海にしてみれば森に頼まれた仲介役だが、炎としては自分との約束を断っておきながらどうして竜なんかと一緒にいるんだと云うのが素直な気持ちである。 当然、海に理由を尋ねるが曖昧な返事しか返ってこず、最初のうちはそれでも炎は納得していたが、やはりだんだんと不信感は募ってくるものでとうとう爆発してしまった。 それが先程の事である。 「…その、すまなかったな…いろいろ迷惑をかけて…」 森は、海と炎のケンカの原因が自分だと分かると流石スポーツマンである。 潔く謝罪した。 「いや私こそ、炎の性格を分かっていて…後できちんと説明すれば炎は分かってくれると思い込んでいた。少々自分と云う人間を思い上げっていた…」 二人とも、口数が少なくなってきた。 「俺、俺が炎に説明するよ。海は俺の頼みで竜に会っていたって」 「その事を先程炎に云ったのだが…」 その事に対する炎の返事があの叫び声であったらしい。 海は心身ともに疲れきったのか、竹刀を支えにして額をのせる。 今の炎は森が説明に行っても聞く耳を持たない様子である。 こうなってしまってら、もはやほとぼりが冷めるまで待つしかない。 ダグオンの知恵袋的存在の翼はすでにこの部屋から逃げていたので海と森の二人で今後の事を考えるしかなかったが、なにひとつ思いつかない。 二人が考えに行き詰った時、お客さんが現れた… お客さんはたいした被害も出さずに、そして炎と海のケンカ(?)にも邪魔されず片づける事ができた。 だが、二人の仲は全く変化なかった。 二人とも結構意地っ張りなところもある。 そして、きっかけもなくなっていた。 しかし、闘いが終った後、森は炎のところに竜をつれて現れた。 「炎、お前海と竜の事を疑っているようだが、海は俺の頼みで竜に会っていたんだ」 「………」 やはり海が行った通り、森の説明にも炎は反応しない。 全く聞く耳持たないと云った感じで帰ろうとする。 それを見た森は、こうなったら仕方がないと云った感じの表情をすると最後の手段として竜を近くに引き寄せた。 「おい、炎! こっちを見てみろ!」 はじめは無視していた炎だったが、しつこく森が云ってくるので仕方なく振り返る。 すると、森の腕の中に竜がすっぽりと納まっている。 「それで?」 それくらいで誤魔化されないと云った感じでいる炎の目の前で、森は自分の腕の中に納まっている竜の顎を少し持ち上げるとそのまま自分の顔を近づけていく。 「………!?」 「分かったか?」 森はそれだけ云うと驚いたような怒ったような顔をする竜を強引に連れて帰っていった。 後に残ったのは呆然とした表情の炎と遅れてやってきた海。 「炎…」 「………!?」 海に呼ばれてはじめて炎は我に返った。 「あの…」 炎は今の二人のキスを見てやっと理解できたらしく、今まで拗ねていた事に対して海に謝ろうと思っているのだが、意地っ張りの性格が邪魔をして素直に謝れない。 海はその事を十分理解していた。 「分かっているよ、炎…」 炎に近づいて行くと優しく抱きしめ軽く頬にキスをする。 「ごめん、海…」 「私の方こそ、炎につらい思いをさせて悪かった」 「海も一言云ってくれたら良かったんだ! そうしたら俺だって…」 「分かった。今度から必ず何かあったら炎に相談する。お前に無視されている間、私はすごく辛かった」 「俺だって…」 しばらく二人はその場に佇んでいた。 そして、次の日。 「森のバカヤロー!!」 今度は森と竜の間がおかしくなっていた。 PR
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