忍者ブログ

日常のちょっとしたこと 仔猫の成長日記 好きなアニメ・マンガの閑話休題

カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
拍手
お礼小説 3本(マクロスF)
カウンター
メールフォーム
プロフィール
HN:
神尾 志
性別:
非公開
趣味:
最近は仔猫の成長を見ること
自己紹介:
九州在住。
夏は暖かく、冬は涼しい。
夏は不明だが、冬場は県内で2番目に寒い地域。
氷点下なんて当たり前!

イベントには,今のところコミケのみ参加しています。
サークル名は『ЧТО ЭТО』ですが、イベントには『TRAUM』、もしかしたら思い出したかのように『北の都』で参加したりもしています。
ジャンルはビックリマン(ピーター×アリババ)はほぼオンリーのみ。
それ以外はマクロス(ミハアル)です、たぶん…



コミックス

ハーメルンのバイオリン弾き ~シエルクンチク~ 8(完)
ユーベルブラッド 11
ブロッケンブラッド 8
マクロスプラス 1・2(完)
百姓貴族 2
戦う!セバスチャン♯ 2
少年セバスチャンの執事修行 2
ちびさんデイト 2
銀の匙 3
タブロウ・ゲート 10
コーセルテルの竜術士 ~子竜物語~ 4

映画

海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン
ロボジー
逆転裁判
バトルシップ

CD
FULLMETAL LCHEMIST THE BEST
HEAT

イラスト集
ヘタリア
マクロスF
お天気情報
アクセス解析
ヘタリア
ブログ内検索
Script:Ninja Blog 
Design by:タイムカプセル
忍者ブログ [PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2000記念です。

OASIS



 とてもとてもいやな夢を見た。
 私が一番見たくない夢…
 はっきり云って聖夢源で見なくて良かったと思う夢だった。
 だって、聖夢源で見る夢は総て事実と云われているから…
 でも、何やら胸騒ぎがする。
 こんな時だから仕方ないのかも知れないけども…
 次界の久遠エリアで最後の闘いが始まろうとしている。
 でも、久遠エリアは曼聖羅(マンセイラ )の超ヘッドの一人、聖梵インカの力で絶対壁のバリアーで覆われている。
 そこに行く手段は天使たちにはない…
 どうやら悪魔達はその方法を、突き止めたらしいけども・・・
「どうしたんだい? オアシス天如」
 後から声をかけられて驚いてしまう。
 振り返ると、そこにはレスQ天女立っていた。
「さっきからどうしたんだよ? 暫くしたらいよいよ神帝たちに逢えるんだぜ。少しは嬉しそうな顔をしろよ!」
 そう云う彼女はとても神帝、いや、フッドに逢えるのが凄く楽しみに見える。
 私も、さっきまでは彼女と同じ気持ちだった。
 でも、あの夢を見てからはあの天使(ひと)に、一本釣に逢うのが凄く怖い気持ちになっている。
 夢のせい…
 神帝が、一本釣が消滅してしまう夢…
『たかが夢のひとつやふたつ』
 以前なら気にも止めていなかっただろう。
 でも、今はたかが夢ひとつさえも、恐い気持ちにしてしまうほどの材料は山ほどにある。
 自分自身の目で一本釣の無事な姿を見るまではとても安心はできない…

 次界―――
 ロココ様が復活されて築かれた聖フラダイスに、突然の天蓋瀑布が襲い、瞬く間に大洪水が起こった。
 しかし、聖フラダイス自体が巨大な巨方舟(ジャイアントアーク)となり難を逃れた。
 そして、最後の闘いが始まったのだ…
 天聖界から次界にウィングパス・ストリームと云うロココ様が造った道がある。
 天使やお守り達は、この道を使って天聖界と次界を行き来する。
 次界についても私の心は沈んだまま…
 早く逢いたい天使(ひと)はここにはいない…
「神帝達は偵察中だってよ。まったく、おれが来る時ぐらい時間をずらせばいいのに…」
「顔と口が合っていないわよ」
 口先ではいろいろ云っているレスQ天女も内心はしばらく逢っていなかったので照れくさくてしょうがなく、いきなり逢わずにすんだと云う気持ちがありありと顔に出ている。
「そっ、そんな事はないぞ!」
 真っ赤になっている。
 そんな彼女の態度に笑いながら、誰かが神帝の帰還を知らせている。
 私もすぐその場に向かった。
 天使やお守りの人波を分けて行く。
 突然、何かに足が引っ掛かったようによろめく。
 倒れそうになった私を誰かが支えてくれた。
 お礼を云おうとして支えてくれた方に向きをかえたら、
「相変わらず、元気そうだね!」
「………!?」
 一本釣…
 一瞬、なんとも云えない感情が沸き起こった。
 言葉がでない。
「立てるかい?」
「………」
 ただ、黙ってうなづくだけ。
「ちょっと待っててくれ。ロココ様に報告に行ってくるから」
 そう云って立ち去って行く。
 ここまで来たのに気のきいた言葉ひとつも出ないなんて…
 いつもいつも逢いたがっていた天使(ひと)は目の前にいるというのに…
 何となく、自己嫌悪…
 しばらくすると、ロココ様への報告を終え私のもとにやって来る。
「すまないなぁ。ゆっくりと話ができなくて」
 彼は笑顔で話す。
 私はただ、首を横に振ったり縦に振ったりしているだけ。
 それでも一本釣は優しく話しかけてくれる。
 その言葉ひとつひとつがなぜか嬉しさよりも悲しさを感じてしまう。
 彼の話も次第にうわの空で聞いている…
「どうしたんだい。どこか具合でも悪いのかい?」
 そんな私の態度に気づいて、優しい響きがさらに優しく響く…
「何でもないわ。久しぶりに逢えたから何を話したらいいのか迷っちゃって…」
 嘘ではない、本当に迷っている。
 今までの思い、そしてあの夢の事…
 沈黙が二人を支配している。
 わずかな時間なのに永遠に続くかのような時間(とき)。
 じっと顔を見つめていたら涙があふれてきた。
「どっ、どうしたんだよ? ホントーに大丈夫なのかよ?」
 泣き出した私を見てオロオロする。
 もう、心の中だけにとどめておくことができない。
 一気に話してしまう。
「夢を、夢を見たの。神帝が、あなたが、一本釣が消滅する夢を…あの虹層球(レインボール)であなたが消えてしまう夢を…もちろん、ただの夢だと思うわ。でも、不安で、心配で…」
 私の話を聞くと複雑な表情になった。
 まるで私の云った事が現実にあったような感じに。
 又、沈黙が始まる。
 私は彼の横顔を見ている。
 そして、ある決心をしたのか顔を向き直して話かける。
「…まだ…はっきりと決まったわけではないんだが、あの虹層球(れいんぼーる)には久遠エリアへの道があるらしいんだ。だが、今までは方法が見つからなかった」
 今の云い方は過去形。
『まさか!?』
 不安が胸をよぎる…
 そんな私の感じを分かったのか優しく微笑んで言葉をつなぐ。
「さっき偵察に行ってわかった事があるんだ。久遠エリアに行く方法が見つかった」
「その方法って、まさか…」
 不安が胸の鼓動を早くならす…
「俺たち七神帝の理力で…」
 そう云いかけた一本釣から顔を背けた。
 一番、聴きたくなかった事…
 一番、見たくなかった事…
 一番…
「どうしたんだよ? 君らしくないじゃないか。まだ、死ぬと決まったわけではないのに」
 さきほどと変わらぬ優しい声。
 でも、不安は消えない。
「こっちを向いてくれないか? もうしばらくしたら虹層球(レインボール)に関する作戦が始まるんだが…」
 その事を聞くと慌てて振り向く。
「やっと、こっとを向いたね!」
 この優しい微笑がもう二度と見られなくなる。
 何か云わねばならないんだけども、出てくるのは涙だけ。
 そんな私を暖かく、優しく抱き寄せてくれる。
「必ず帰ってくるよ。どんな事をしても、どんな目にあっても。必ず戻ってくる。俺が帰るべき場所は君のところしかないんだ」
 私はただ、彼の言葉を信じた、信じたかった。
「必ず、絶対、帰ってくる。君は俺の安らぎの場(オアシス)なんだから…」
 今まで聞いたどんな言葉よりも一番嬉しい、そして、一番聞きたかった言葉。
「こんな場面で云うなんてずるいわ!」
 少し怒ったような感じで云ったつもりだが、なぜか顔が笑ってしまう。
「そうそう。君は笑顔が一番似合っている。泣き顔なんてみっともないぜ!」
 二人でクスクスと笑ってしまう。
 まるでさきほどまでの不安が嘘のように消えてしまったかのように…

 神帝が虹層球(レインボール)に突入した。
 それにより今まで球状の形を保っていた虹層球(レインボール)がアーチ状に変形してそれが久遠エリアへの架け橋となった。
 そして、一本釣は帰ってこなかった。
 神帝は全員、いや、二人だけ、ヤマトとアリババを残し五人とも消滅…
 夢が現実となって現れた。
 私は甲板で彼が消えた虹を眺めていた。
「嘘つき。どんな事をしても帰ってくると云ったのに…」
 帰らぬ天使(ひと)に悪態をつく。
 不思議と涙なんか出てこない。
 あの時に出し尽くしたのかしら?
 出逢ってからの事が不思議と次から次に浮かんでくる。
 ふっと、彼が消えたB(ブルー)パート部分から。
 いや、R・O・Y・Gのそれぞれの部分が光った。
「…何!?」
 光はこちらに向かっている。
 船の先端にはアンドロココ様がおられる。
 まさか、彼が…
 一瞬の期待は次の瞬間裏切られている。
 光は全部で五つ。
 光は段々とその輪郭をはっきりとしてきた。
 現れたのは小さな女の子天使。
「あなたたちは?」
 ロココ様が尋ねる。
「私たちはメイドン天使。次界のエリアヘッドとなるべく誕生した、神帝たちの生まれ変わりです」
「神帝たちの?」
「はい!」
 神帝の生まれ変わりだと云う五人のメイドン天使たち。
 そういえば、どことなく神帝たちの面影がある。
 彼女達の手に持っているアイテムは神帝が若神子の時のアイテム。
「私たちが久遠エリアまでご案内します」
 そういうと先頭に立ち誘導してゆく。
 だが、五人のうちの一人、あの天使(ひと)によく似た面影のメイドン天使が私に気づいてやってきた。
「わたしはメイドン界使」
 いきなり自己紹介。
「私は…」
 私もと思ったが界使に止められた。
「オアシス天如でしょう?」
 にっこりと微笑む。
 あの天使(ひと)と。あの時と同じ優しい微笑で笑いかけてくる。
「私がわかるの?」
「うん!」
 元気いっぱいの返事。
 だってわたしの帰るべきたったひとつの安らぎの場(オアシス)なんだもん!」
 私の目から涙があふれる。
 もう枯れてしまったと思ったのに、たった一言の何気ない言葉が、なぜかしら嬉しくなる。
 あの天使(ひと)からもう一度聞きたいと思っていた言葉を、又聞けるなんて…
「どうしたの? 何か悪い事でも…」
 当然、泣き出したものだから界使が戸惑ってしまった。
 その対応も似ている。
「何でもないの。ただ、嬉しくて…」
 泣き笑いになってしまった。
 そして、私の耳にエコーするのはたった一言…

『君は俺のオアシス(安らぎに場)なんだから…』

                     
1991, 3/13
PR

Post your Comment
Name
Title
E-mail
URL
Comment
Pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
Trackback URL