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日常のちょっとしたこと 仔猫の成長日記 好きなアニメ・マンガの閑話休題

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HN:
神尾 志
性別:
非公開
趣味:
最近は仔猫の成長を見ること
自己紹介:
九州在住。
夏は暖かく、冬は涼しい。
夏は不明だが、冬場は県内で2番目に寒い地域。
氷点下なんて当たり前!

イベントには,今のところコミケのみ参加しています。
サークル名は『ЧТО ЭТО』ですが、イベントには『TRAUM』、もしかしたら思い出したかのように『北の都』で参加したりもしています。
ジャンルはビックリマン(ピーター×アリババ)はほぼオンリーのみ。
それ以外はマクロス(ミハアル)です、たぶん…



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ハーメルンのバイオリン弾き ~シエルクンチク~ 8(完)
ユーベルブラッド 11
ブロッケンブラッド 8
マクロスプラス 1・2(完)
百姓貴族 2
戦う!セバスチャン♯ 2
少年セバスチャンの執事修行 2
ちびさんデイト 2
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タブロウ・ゲート 10
コーセルテルの竜術士 ~子竜物語~ 4

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4回目です。

こんなときじゃないと、あげることできないから…

ハートに火をつけて4


3


約束は守れよな!


 エドワード・エルリックが、ロイ・マスタングに許している自分への行動は、二つ。
 それは、キスとハグ。
 この二つだけである。
 だが、この二つがいつも許されるとは限ってなかった。
 キスはプライベート。
 それも二人っきりの時にだけに許されていた。
 それ以外の場所では、例え二人の仲を知っている部下やアルフォンスの前でさえ、エドワードは全身を使って拒否しているのである。
 ハグもキス同様、エドワードは二人だけの時にだけにしたかった。
 しかし、史上最強の副官であるホークアイのたっての頼みで大幅の幅に譲歩して、二人以外の時。
 つまり人前での、もちろん自分たちの事を知っている人たちの前でのハグは許したのだ。
 エドワードとしては、本当は人前でハグなんかやりたくなかった。
 だが、そうしなければ、ロイ・マスタングはいじけてしまい、まったく使い物にはならない。
 そう、仕事をしないのだと云う。
 エドワードがたまに、東方司令部を訪れた時の仕事のこなし方は、半端ではない量でも、アッと云う間に片付けてしまう程、気合が入っていると云うのだ。
 ならばコレは大いに利用すべきと云うのが、ホークアイの考えであった。

 そして、エドワードの気分が悪いなどと云って会場を巧く抜け出し、用意されていた奥の部屋に二人は来ていた。
 二人っきりと云うか、もしかしたら、盗聴器ぐらいあるかも知れないが、この部屋には本当にロイとエドワードの二人しかいなった。
 ロイにとっては、二人だけの約束事に縛られる事が全くない。
 まさに、キスでも、ハグでも、やりたい放題の状況であった。
 しかしエドワードは例え二人だけでもあっても、キスもハグもやりたくないものは、やりたくない。
 今までは、何だかんだと適当な理由を云っては逃げてきていた。
 ロイはそんなエドワードの事を良く理解していた。
 物凄い照れ屋であるからと。
 本当に必要、最低限と云って良いくらいの事しか二人の仲にはなった。
 ロイがお願いにお願いをして。
 それはそれでロイには楽しい一時ではあった。
 本当に何も知らないエドワードを、自分好みに仕上げて行くのだから。
 そして・・・

「止めろよ!」
「良いじゃないか。この部屋には我々二人っきり、なのだから」
「二人きりかも知れねぇーが、抜け駆けで誰かが入って来るかも知れねぇーじゃねぇーか!」
「おや? 君はよくそんな難しい事を知っているね?」
「こんなパーティー、初めて参加するわけじゃねぇーし。誰かさんのいつもの行動パターンだろ!」
「誰かさん?」
「そっ! 誰かさん」
「君は・・・」
 エドワードは気分が悪いところか、ご機嫌斜めになっていた。
 部屋に着いた途端、ロイはエドワードを横抱き(別名、お姫様だっこ)にすると、あっという間に更に奥にある寝室へと連れて来られたのだ。
 寝室に着いたと云っても、二人の仲は殆どなにもないに近い関係。
 プラトニックと云っても良い様なものだった。
「だから、やめろよ!」
「二人っきりじゃないか」
「云ったろ! 誰か来るか分らないのにって・・・」
 故に、エドワードは自分に圧し掛かってくるロイを押し退けているのだが、体格差と体勢のせいで、逃げ出す事が全くできないでいた。
 それでも、声だけは威勢が良かった。
「やめろって、云ってんだろ」
 エドワードが嫌がるのを物ともせず、ロイは全く気にする素振りさえない。
 逆に行動を、どんどんエスカレートさせていく。
 エドワードは思い切って、機械鎧(オートメイル)を使ってロイを押し退けようと考えてはみる。
 だが万が一、もしかして加減が出来なくてロイに怪我をさせてしまうかも知れないと思うと、途端に機械鎧(オートメイル)を使えなくなってしまう。
 それに今までの整備不足の上に、無理をして調子悪くしてしまっている。
 この機械鎧(オートメイル)を造った、幼馴染のウィンリィの腕は信用している。
 多少に荒く使っても、しっかりと自分の思うとおり動いてくれる。
 それが、もしかして壊れてしまうような事になった場合。
 その後にどんな事が待ち構えているのか?
 想像するだけでも、エドワードには恐怖だった。
 だがロイの行動に対して、次第にそんな事を悠長に考えている時間はエドワードにはなかった。
 こうやってロイに求められる事に関して、嬉しくないのか云えば、正直嬉しいに決まっている。
 しかし、エドワードには自分の性格や年齢。
 そしてロイの立場等を考えると、早いしヤバい。
 ついでに云えば、現在二人がいる場所も大問題である。
 この部屋の向こう側には先程まで二人がいた場所。
 大勢の人々がいたパーティー会場である。
 エドワードは仕方ないと思い、少し強めに右腕に力を入れてみる。
 が、
「――― っ…」
 瞬間、神経に痛みが走る。
「どうしたのかね?」
 涼しい顔をした男は、行動を止める事なく云う。
「ああ、そう云えば、機械鎧(オートメイル)の調子が悪いと云っていたね?」
 そして何か思い当たる事でもあるように、静かに笑みを称えた。
「分かっているならやめろ! ウィンリィに殺される!」
 エドワードから、かなり物騒な単語が出てきて、ロイの手が一瞬止まるが、直ぐに動き出す。
 上着はいつの間にか脱がされ、ロイはシャツを脱がしに掛かっていた。
「殺されるとは、穏やかではないね」
「あいつは、ウィンリィは機械鎧(オートメイル)の事になると人格が変わるんだ!」
「まるで鋼のと同じじゃないか」
「はあ?」
「君も錬金術の事となると人が変わったようになるし」
「大佐っ」
 エドワードの云う事を全く本気にしていないロイ。
 だがエドワードの脳裏には、これまでの過去の出来事が余す事無く蘇えり、思わず恐怖で身震いするほど。
 その様子を見て、何かしらロイ自身にも何か通じるものがあるのか。
 ピタッと完全に動きが止まる。
 ウィンリィに対して頭が上がらないエドワードなら、ロイはホークアイに頭が上がらなかった。
「・・・案外、私たちは似たもの同士なのだな・・・」
「・・・?」
 ロイは大きく息を吐く。
 本気でこのまま、最後まで行く気は全くない。
 だが現在のこの状況は、ロイにとっては非常においしい状況であることには変わりはなかった。
 このまま止めてしまうのは、とてもとても、勿体無い。
 そう思ったら、止まっていたロイの手が再び動き始めた。
 それに気づいたエドワードは、動き出した手を右手で少し強めに掴むと、ロイを睨みつけた。
「兎に角、やめろよな」
「…分かった。しかし…」
「しかし?」
「君とこうしているだけで、心は満たされるのだが…」
「だが?」
「身体はいつも満たされていない」
 途端にエドワードは顔だけではなく、首までも真赤に染まっていく。
「あっ・・・」
 ついでに言葉もうまく話せない。
 全くこの手の事に関して免疫がないエドワード。
 本当に、初心、なのだ。
 それでよくあのロイ・マスタングの恋人が務まるのかと思えるのだが、逆にロイには、それが新鮮で良かったのかもしれなかった。
 そんなエドワードの表情を楽しみながら、ロイはちょっとだけ手を動かす。
 するとエドワードは本気で怒り始めて来る。
「やめろよ! いい加減にしないと、中尉に云い付けるからな」
 ホークアイに名を聞いて、ロイの動きがピタッと止まる。
 そして、ロイの脳裏にある事が思い浮かぶ。
「もしかして君…今のような事がある度に、中尉に話をしたりとか、してないだろうね?」
「してる!」
 一瞬の迷いもなく、エドワードは即答した。
 ロイはエドワードと付き合い始めてからの事を、思い返していた。
 付き合い始めてから、ホークアイのロイに対する扱いが手荒になってきた時期は、確かに今のような事をエドワードに仕掛けていた時期と、ほぼ一致していた。
 ロイの中から急激に総ての戦意が喪失してきていた。
 こうして、二人の約束(?)事は、一応守られたのであった。
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