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日常のちょっとしたこと 仔猫の成長日記 好きなアニメ・マンガの閑話休題

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HN:
神尾 志
性別:
非公開
趣味:
最近は仔猫の成長を見ること
自己紹介:
九州在住。
夏は暖かく、冬は涼しい。
夏は不明だが、冬場は県内で2番目に寒い地域。
氷点下なんて当たり前!

イベントには,今のところコミケのみ参加しています。
サークル名は『ЧТО ЭТО』ですが、イベントには『TRAUM』、もしかしたら思い出したかのように『北の都』で参加したりもしています。
ジャンルはビックリマン(ピーター×アリババ)はほぼオンリーのみ。
それ以外はマクロス(ミハアル)です、たぶん…



コミックス

ハーメルンのバイオリン弾き ~シエルクンチク~ 8(完)
ユーベルブラッド 11
ブロッケンブラッド 8
マクロスプラス 1・2(完)
百姓貴族 2
戦う!セバスチャン♯ 2
少年セバスチャンの執事修行 2
ちびさんデイト 2
銀の匙 3
タブロウ・ゲート 10
コーセルテルの竜術士 ~子竜物語~ 4

映画

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ロボジー
逆転裁判
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FULLMETAL LCHEMIST THE BEST
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***
久しぶりです。
あと、1回でこのボツ話は終わりです。
キリ番にはビックリマンに決めました。

Melissa Act3 et



エドワードと目が合うと、手を振って『やあ!』と云った感じの笑みを浮かべている。
アルフォンスは何となくその人を知って知る感じ。
「もしかして、この屋敷の住人か?」
両手は合わせたままのエドワードは不機嫌さ全快で見知らぬ相手に云った。
「一応ね」
「一応?」
「うん、一応」
「………?」
「一応だけど、現在のこの屋敷の住人です」
エドワードはへらへらと笑っている見知らぬ相手を見直した。
年齢は多分ロイと同世代ぐらい。
身長の方も自分が相手を見上げる位置から云って、これもロイとほぼ変わらないだろう。
ライトブラウンの髪に、サファイアブルーの瞳、
これまた間違いなくロイと同じく、もてるタイプだ。
「こいつの名前は何って云うんだ?」
エドワードは相手を胡散臭そうに見ながらも名前は本人ではなくアルフォンスから聞き出す。
「…ごめん兄さん…」
「………?」
「…ボクもまだ知らないんだ…」
「はあ?」
風とピアノの音でこの屋敷を見つけたアルフォンス。
人が住んで居ると判ると直ぐに取って返し、今来た道を引き返したのだ。
ただ一言、『兄さんを連れてきます!』とだけ云って…
「それじゃ改めまして。私の名はヴィント。ヴィンと呼んでくれ」
この屋敷の住人だと云う人物、ヴィント。
エドワードはとりあえず両手を下ろすが、ヴィントへの態度は一貫して胡散臭い奴と云う印象を拭えなかった。
そんな中、アルフォンスだけは持ち前の人懐っこさでヴィントと仲良くなり掛けていた。
「じゃあ、改めて聞くけどさあ…あんた、錬金術師なんだろう?」
「違うよ」
「えっ?」
不機嫌な口調と表情で、エドワードはヴィントに聞くがあっさりと否定された返事が即効で返ってきた。
「前の住人は確かに錬金術師だったけど…」
「それって消えた錬金術師の事か!?」
「―――??」
ヴィントの言葉も終わらぬうちにエドワードだけではなく、アルフォンスまで詰め寄ってきたのだ。
「消えた?」
「そう消えた錬金術師だ!」
「何か知っているの?」
二人の態度に対してヴィントは驚いていた。
「…この家の前の住人は、確かに錬金術師だったけど…」
「やっぱり!」
「でも…四年前にクレタに引っ越したけど…」
「えっ!?」
「引っ越したァ!?」
「クレタにって…」
エドワードとアルフォンスはヴィントの言葉にお互いの顔を見合わせた。
そんな驚きの二人をよそにヴィントは話を続けた。
「当初の予定ではある程度余裕を持ってクレタに向かう予定だったらしいけど、予想外の出来事が起こってしまって、それで祭りも期日を無視して早く執り行って、あとは殆ど夜逃げのような状態でクレタの行ってしまったんだよ。おかげで変な噂が立ったようだけど…」
ヴィントは二人に屋敷の前住人がいなくなった説明を簡単に話した。
「ここの前の住人が錬金術師なのは判った」
「でも、どうして消えてしまったなんて変な噂話になったんだろう?」
「それで、何でクレタに行く予定だったんだ?」
しかしまだ納得できないのか、エドワードは細かいところをヴィントに訊ね始めた。
アメストリスの西方に位置する国、クレタ。
現在、アメストリスとクレタに正式な国交はない。
云わば、国交断絶状態。
民間レベルでの交流はあるらしいが、政府同士は全くないに等しい。
理由は簡単だ。
領土問題。
云わば戦争をしている相手国、それがクレタ。
イシュヴァールのように、国家錬金術師を投入してまでのことはないが、小規模ながらも、何年も小競り合いを繰り返している。
そのクレタに家族全員で行ったというのか?
「クレタには錬金術の研究でって事が最初の理由。まあ、聞かれる前に云っとくと、医師でもあったから生体錬成関係の研究だって話」
「生体錬成…」
「兄さん!」
エドワード達のとっては瓢箪から駒のような情報。
噂では、クレタの錬金術のレベルの高いと聞いている。
そのクレタに行くと云うからには、その錬金術師はかなりの腕前だったのだろう。
秘石の件は大ハズレだったが、意外な情報をエドワードは入手する事が出来た。
だがまだ気になる事はある。
「それで、予想外の出来事って何だ?」
「それから、お祭りの日っていつでも良いんじゃないんですか?」
エドワードとアルフォンスは疑問に思う事を次々質問していく。
そんな二人の疑問に対してヴィントは、慌てる事もなく答えていく。
「えっーと、まずは予想外の出来事についてだけど、クレタに行く事は元々決まっていたんだ。それが突然とんでもない幸運が訪れたんだ」
「幸運?」
「ああ、なんと突然十二賢者の下で研究が出来るとか云う話が舞い込んで…」
「十二賢者!?」
「あの………」
エドワードもアルフォンスも大声と上げるほど驚いた。
それはそうだろう。
クレタの十二賢者と云えば国内外、その存在を知らぬ者はいない。
歴史が古いクレタには錬金術を始め、いろいろな各分野で優れた技術を持つ人々が大勢いる。
その中でも、心・技・体など特に優れた十二人の人たちを昔から尊敬の念を込めて『十二賢者』と呼ばれていた。
その影響力は国内ばかりでなく、広く国外にも及ぶとまで云われているのだ。
現在交戦状態のアメストリスとて、例外ではなかった、
その十二賢者の下で錬金術の研究が出来る!
となると、錬金術師としての将来の道はもう約束されたも同然。
どのような国に行っても歓迎され、成功されるであろう。
その錬金術師にとっては本当に予想外の出来事だっただろう。
そうとなっては急いでクレタに向かわない訳には行かないだろう。
もしこの機会を逃したら今度は、いや、もう二度とこのチャンスは廻ってこないだろう。
もしかしたらこのチャンスが、他の誰かへと変わってしまうかも知れないのだ。
夜逃げ同然で屋敷を出て行くのも少しは判る。
「そこで一つ、困った事が起きた」
「何です?」
「本」
「本?」
「そう、医学や錬金術などの膨大な関係資料や書物。本当なら全部クレタに持って行くはずだったんだけど…」
「だけど?」
ヴィントは大きな屋敷を見上げた。
釣られてアルフォンスも見上げる。
「これだけの屋敷だろう?」
「はい…」
「蔵書の量も半端じゃない!」
そりゃあそうだ。
村から離れ、こんな林というより森のこんな奥の方に、どうやってこんな屋敷を建てたのか不思議なくらいの大きな屋敷。
絶対、錬金術を最大限利用して建てたとしか思えない。
「すべて持って行く事は出来ないから、自分たちで持てる分。それも最重要な関係書物だけを持って行ったんだ」
「でも…」
「でも、残った本でも貴重な本はたくさんある、だろ?」
「はい…」
アルフォンスが云いたかった事をヴィントは判っているらしく話を続けていく。
「その中には彼の長年の研究の途中経過を記したものがあるかも知れない。確か錬金術師は自分の研究文書は暗号化しているって…」
「その通りです! でも…」
「いくら暗号化していても、万がテロリストの手になど渡って、その中にもし錬金術に詳しい奴でもいたら?」
「暗号は解読されるだろうな…」
何気なくヴィントは視線をエドワードに向けると、今まで黙って聞いていたエドワードが口を開いた。
「そう、大変な事になってしまう」
国内を移動しただけなら後で幾らでもここに来て、蔵書を運び出す事はできる。
だが国外、それも長年緊張関係が続いていて、時々ドンパチやっている相手となれば、簡単に戻る事はできない。
下手すれば、二度と戻ってこられないかも知れない。
それならば、何の未練もなくすべてを燃やして灰にしてしまえばと、エドワードは思った。
自分たちが旅立った時のように…
だが、この家の主は医者だという。
もしかしたら残された資料や蔵書から沢山の生命を助ける事に役立つものがあるかも知れない。
その中には、もしかしたら自分たちが求めている情報があるかも知れない知れない。
そう考えると、灰にならずに良かったと内心、エドワードは胸を撫で下ろしいていた。
「それじゃ、残った本とかは…軍に?」
ここに来る前に聞いた噂話を思い出した。
「そう、残った本や資料については軍に引き取って貰った方が確実だからね。ロクな使い方という点では、軍もテロリストもそう大差はないけどね…」
軍がこの屋敷から運び出された書物の行く末が、テロリスト達の行動と指して変わりない事をヴィントは示唆した。
最終的に、人を傷つける事には変わりはないのだから…
「それって、隣村の人たちが云っていた軍の調査?」
軍によるただの荷物運びが、とんでもない噂になってしまい、それが消えた錬金術師の噂になったのだろうか?
アルフォンスは村で聞いた噂を確認するような言葉にヴィントは困ったような笑みを浮かべていた。
ヴィントの話を聞いてアルフォンスは素直に納得していたが、エドワードだけは表情に厳しさを滲ませていた。
「詳しいんですね」
アルフォンスはヴィント対して素直な感想を云う。
その言葉にエドワードの表情が更に険しくなった。
 ―――そうだ!
 ―――こいつは詳しすぎる!
 ―――あまりにも詳しく知っている…
 ―――隣村の住人でさえこの屋敷の住人たちが四年前まで住んでいた事。
 ―――その後、クレタの引っ越したと云う事をまったく知らないと云うにはあまりにも不自然すぎる。
エドワードは考えれば考えるほど矛盾しているような気がしてきていた。
ここにたどり着く前に、隣村の住人であるエルゼに出会っている。
もしエルゼに出会わなければヴィントの話をある程度は素直に受け入れただろう。
まったく付き合いがないにしろ四年前、祭りを行われたと云うのなら、多少は何らかの情報を知っているはずだが、エルゼは知らなかった。
 ―――そう云えば、エルゼは祭りがあったのは小さい時と云ってなかったか?
 ―――と云う事は、四年前の祭りはエルゼたちが知らぬ間に行われ、エルゼたち隣村の住人は誰一人いなかった、という事か?
エドワードの中のヴィントの対する疑問は増えるばかり。
今更だが東方のロイ達がここ、西方にいる事と関係ある事件かも知れないと思えてくる。
 ―――あっーこんな事ならハボック少尉かファルマン准尉あたりから何かしら情報でも聞いておくべきだった…
エドワードはそう思わずにはいられなかった。
「隣村の連中が知らない事をあんたよく知ってんな?」
「………」
「あんた、何者?」
「兄さん」
 ヴィントに対してエドワードは必要以上に警戒の目を向けた。

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