忍者ブログ

日常のちょっとしたこと 仔猫の成長日記 好きなアニメ・マンガの閑話休題

カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
拍手
お礼小説 3本(マクロスF)
カウンター
メールフォーム
プロフィール
HN:
神尾 志
性別:
非公開
趣味:
最近は仔猫の成長を見ること
自己紹介:
九州在住。
夏は暖かく、冬は涼しい。
夏は不明だが、冬場は県内で2番目に寒い地域。
氷点下なんて当たり前!

イベントには,今のところコミケのみ参加しています。
サークル名は『ЧТО ЭТО』ですが、イベントには『TRAUM』、もしかしたら思い出したかのように『北の都』で参加したりもしています。
ジャンルはビックリマン(ピーター×アリババ)はほぼオンリーのみ。
それ以外はマクロス(ミハアル)です、たぶん…



コミックス

ハーメルンのバイオリン弾き ~シエルクンチク~ 8(完)
ユーベルブラッド 11
ブロッケンブラッド 8
マクロスプラス 1・2(完)
百姓貴族 2
戦う!セバスチャン♯ 2
少年セバスチャンの執事修行 2
ちびさんデイト 2
銀の匙 3
タブロウ・ゲート 10
コーセルテルの竜術士 ~子竜物語~ 4

映画

海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン
ロボジー
逆転裁判
バトルシップ

CD
FULLMETAL LCHEMIST THE BEST
HEAT

イラスト集
ヘタリア
マクロスF
お天気情報
アクセス解析
ヘタリア
ブログ内検索
Script:Ninja Blog 
Design by:タイムカプセル
忍者ブログ [PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

*   *   *
ボツお話です。
本誌とどこが違うか、確かめてみてください。


まだ陽も明けぬ林の中。
道らしき道のない道を、二人は歩いていた。
二人と表現するには聊か抵抗がある感じもするのだが、やはり移動している人影は二つあるので、二人としか言いようが無い。
先頭を歩いているのは、小柄な少年。
後方は大きな鋼の鎧。
静かな森の中。
密やかに風が木々を鳴らす音に混ざって、鎧が動くたびに奏でる金属がぶつかりあう音も響いていた。





Melissa Act3 et





「まったく…いつになったら着くんだよ…オルギエに!」
「馬車と歩きの違いかな?」
「はあ?」
「だから、馬車で3時間。歩きだと少なく見積もっても6時間かなあ…」
「なんだとォー」
とにもかくにもエドワード・エルリックの機嫌は、すこぶる悪かった。
理由は、これほどもなくハッキリしていた。
立て続けのトラブルの今回の旅。
手始めにテロ集団による列車ダイヤの混乱。
次は、やっとの思いで辿り着こうかとしていた目的の村は、すでに廃村。
更に目的の石も、まったくの別物と判明。
そんな失意のどん底にいるエドワードに対して更にイラただせ、尚且つ混乱させるように止めを刺したのは、東方司令部、ロイ・マスタング大佐。
東方にいるはずのロイが西方にいる。
それだけでも十分おかしな出来事である。
エドワードは最初、無視をしようかと思ったが、後々の事を考えて一応軽く会釈だけはした。
だがウエストシティ駅で会った時、見事にエドワードたちを無視していたロイ。
目的の村の隣村、フォーリエ。
今更もと来た道を戻ることも出来ず、かと云って旅人なんぞ滅多に来ないから宿もないと云う村。
村外れに空き家が二、三軒あるからと教えられ、行って見ると、先客がいた。
取り敢えずエドワードとアルフォンスは先客に挨拶に向かう。
するとそこにいたのは又しても、又してもロイ・マスタング。
他にも二人がよぉ~く知っている顔の連中ばかり。
更にはとんでもない化粧お化けが現れて、何とそれがロイの婚約者だろ云うではないか!
ここまでは、エドワードは一傍観者だった。
女性の扱いにおいては東部一。
いや、アメストリス一―――一部では世界一───とまで云われているらしい、あのロイ・マスタングが、その女性の相手に戸惑っていたのだ。
見ている分は本当におもしろかった。
しかし次の瞬間、エドワードに悲劇が訪れた。
いきなり引き寄せられ、ロイの腕の中収まると、
『それが彼女、エディラ・エルリックだ!』
エドワードは自分の耳を疑った。
 ―――今、大佐は何と云った?
 ───彼女って…云わなかったか?
 ───エディラ・エルリックぅ?
 ───誰だよ! そいつは!
訳も判らず傍観者だったエドワード。
それがいつしか話題の中心人物へと、立場が変わっていたのだ。
「兄さん、少しは落着こうよ?」
先頭を歩くエドワードの後ろから声を掛けるのは鎧に姿をした弟、アルフォンス。
その大きな鎧からは想像できない可愛らしいボーイソプラノの声で、苛ついているエドワードをおさめようとしていた。
だが昨日までの一連の出来事に対して怒り心頭のエドワード。
しかも、かなりの強行スケジュール。
流石のエドワードも身体的に疲労が溜まってきていたらしく、足取りは心なしか重い。
「兄さん…少し休んだら?」
そんなエドワードを気遣い、アルフォンスはこの場での休憩を提案した。
その間に自分がこの付近を探索して来ると云うと、アルフォンスはエドワードの言葉を待たず、とっとと付近の探索へと行ってしまった。
「………おい…」
ぽつんと一人、その場に残されたエドワード。
小さく息を吐くと、仕方がないとばかりにぼんやりと周りを見渡し始めた。
陽はかなり高くなっている。
その場に腰を下ろし、とりあえずアルフォンスが戻ってくるのを待った。
その間、森林浴のような状態に少しは落着いてきたのか、何となくエドワードの表情に先程までのトゲトゲしさが消えていた。
だが、少しは冷静になってこれまでの事、そしてこれからの事を考えようと思えば思うほど、またしてもロイ対する恨み辛みが沸々と湧き上がってくる。
「あっーもうー何なんだァー 大佐の奴…久しぶりに会ったのに…」
最初の勢いはどこへやら?
最後の方はあきらかに拗ねた子供である。
ロイの事は、これまでの出来事や確執など今もあったりしているが、エドワードは本気でロイの事を嫌うことは出来なかった。
本当に必要な時や大事な時はいつも側にいて、エドワードの力になってくれている。
同じ錬金術師としても、それなりに尊敬もしている。
それに、この間会った時は、何とも意味深な事をエドワードに云ってきた。
どうゆう意味か聞き返しても、その通りとだけ云って、結局ロイの真意は判らずじまい。
からかわれているのかと思うと、何だか違う感じ。
そのせいか、ウエストシティ駅で無視された時はムカついたが、軍の任務の途中なら仕方ないと思っていた。
なのに、まったく話が見えない事に巻き込み、その後も説明はおろかまったくのフォローもなし。
ホークアイがいたら然るべき対応をしてくれるのにとエドワードが思った時だった。
「そういえば、ホークアイ中尉の姿がなかった?」
ロイを筆頭にハボック・ブレダ・ファルマン・フュリーの姿は見かけたのに、ロイの副官であるリザ・ホークアイ中尉の姿はどこにもなかった。
「………? 何でだ」
東のロイ達が大挙して西の果てまで来ている任務、だと思う。
「自然に考えると、中尉は現在別行動って事か?」
そうであろう。
リザが一緒なら自称(?)婚約者なる人物なんて絶対現れるわけがない。
「…って、大佐たちの事いろいろ考えたってどうなるわけでもないし…元はと云えば、大佐が訳判んない事云うからだ! もう、オレには関係ないことだ。とっとと用件を片付けてさっさとここを出て行けばいいんだっ!」
エドワードはそう云うと辺りをキョロキョロと見渡した。
「アルのやつ…遅いな…」
アルフォンスが探索に行って、そんなに時間が経ったわけではないのだが、兄として弟の事は心配。
いくら今は無敵の鎧の身体とは云え、アルフォンスはまだ子供なのだ。
初めて訪れた見知らぬ土地。
好奇心に押されてむやみに歩き回っているうちに、迷子になる可能性がないとは云えない。
いつもならエドワードも少しぐらいなら大丈夫だろうと付近を探索するのだが、今日は珍しくエドワードはアルフォンスに云われた通り、この場に留まっていた。
理由は特にない。
あえて上げるとするならば、探索に行く時のアルフォンスの変わらぬ表情が、
『動いたら怒るからね!』
と、無言の圧力のようにエドワードには見えていた。
穏やか弟ではあるが、そこはエドワードの弟である。
本気で怒らせたら、あとが怖い。
それでエドワードはこの場から動かずにいるのであった。
思いっきり背伸びをして草地に転がると、良い天気も手伝ってか、エドワードはいつしか眠りに引き込まれてしまっていた。

PR

Post your Comment
Name
Title
E-mail
URL
Comment
Pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
Trackback URL